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【最新】 管理(人事、経理など)・企画・マーケティング部門【中途採用マーケットレポート】※doda調べ
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2023 年 5 月~ 7 月の登録者・求人数は、 2023 年 2 月~ 4 月対比で増加傾向
2023 年 5 月~ 7 月における管理部門の登録者数は、 2023 年 2 月~ 4 月対比で 105 %と増加。例年、夏季賞与後に転職を検討して登録に至る求職者も多く、管理領域の全ての職種において登録者数は 2023 年 2 月~ 4 月対比で増加した。また、求人数は 2023 年 2 月~ 4 月対比で 102 %の微増となっており、堅調に推移した。要因として、新型コロナ対策における組織改編のための採用や新しい人材確保の需要が徐々に落ち着いてきたと考えられる。
求職者側は、「現職ではキャリアアップが叶わない」、「会社の経営状態が安定しないため長期的な就業が難しい」といった不安を抱き、今後の見通しが立たない現況を打破すべく転職活動を開始するケースが多い。しかし一方で、「現職以上に良いところがあれば転職を考えたい」といった慎重に転職活動を行う層も一定の割合で存在している。
さらに、40 代以上の専門スキルやマネジメント経験を持った方が登録するケースも増加しており、即戦力として採用される事例も増えている。
昨今の就業環境の変化を受け、リモートワークが可能な環境を転職条件の1つとして考える求職者の割合が相当数増えてきているので、リモート環境下においての Web 面接が定着しつつある。採用活動においては柔軟かつスピーディーな選考が求められるだろう。
ポイントは「採用要件適正化」「スピード」「意向醸成」
配属部門からの要請で上がってくる採用要件には、任せたい業務内容に対してオーバースペックであるケースや、採用マーケットとのズレが生じているケースが多く見受けられる。募集時には現場と適切に採用要件をすり合わせ、採用マーケットを考慮した要件で進めていくことが採用成功のポイントとなる。
また、管理部門というカテゴリでは、営業職や技術職と比べて対象となる母集団が小さく、継続的に求職者から応募がある状態にはないため、初回の母集団形成の中で内定に至らない場合は、採用活動が長期化することが多い。
求人も採用枠が少ないケースが多く、求職者側は複数社へ併願している場合も多い。そこで他社との差別化や自社求人の魅力訴求が重要となり、面接通過者には都度、評価点をフィードバックすることや事業・職務の魅力を伝えること、入社後に想定されるギャップを事前に埋めていくことなどが有効となる。
総じて、当該領域の採用に成功している企業に共通するポイントは以下の3 つである。
募集後の初回の母集団形成で、内定・入社まで進める「短期集中型」の選考を進める(Web 面接の導入、書類選考の早期回収、選考回数の削減など)
選考からオファー提示に至るまで、常に求職者の希望に沿う情報を提供する
加えて、Web 面接を導入することにより、転職希望者の面接場所への移動コストが軽減され、面接が受けやすい状況が生まれるので、選考期間は従来と比べ短くするほうが採用成功につながりやすい。
経理・財務職
登録者動向
2023年5月~7月の登録者数は、2023年2月~4月対比106%と微増
多くの企業では経理・財務職の繁忙期となる年度初めの時期で、登録者は微増となった。
年齢層は30 歳以下が 28 %、 31 40 歳が 28 %、 41 歳以上が 44 %の割合となっている。
職種別としては、「経理(財務会計)」の割合がもっとも高く67 %、次いで「管理会計」が 14 %、「財務」が 11 %と続く。
出身業界としては「メーカー」出身者が最も多い傾向は変わらず29 %を占める。次に「建築・プラント・不動産」が 12 %と続いている。また、会計事務所や税理士法人・監査法人など、専門性の高い実務を経験している人材が、事業会社の経理・財務の領域で、新たなキャリアを目指して転職活動を行うケースも増えている。
求人動向
2023年5月~7月の求人数は、2023年2月~4月対比106%と増加傾向が続く
求人数の増減の傾向としては、10 月以降の下半期に増加する特徴があるが、 4 月以降も景気の動向など事業を取り巻く環境の影響を大きく受け、継続して求人数が増加の傾向を示した。
今後も同ポジションについては求人数の増加が予想されるため、引き続き「売り手市場」と言っても差し支えのない状況と言える。
採用成功POINT
転職理由(希望や不安・不満)に対して、自社の環境が最適だとアピールできる体制づくりを
採用したい人材のスキル・経験や人物像を想定し、その人材が抱えている転職理由(希望や不安・不満)に対して自社の働く環境や魅力が刺さるようなアピールをすることが重要である。
特に同ポジションの転職理由は2 点の大きなトレンドがある。一つは、安定志向の強さ。例えば、「会社・業界の先行きが不安」「給与に不満がある」「会社の評価方法に不満がある」「恒常的な残業や土日での出社」といった環境や処遇に関する不安や不満から転職活動を始めるケースである。「長く安定して就業できるかどうか」を応募の判断基準にする傾向が強いため、そのアプローチも会社の業績やビジネスモデル、商品やサービスの優位性を数字やデータなどの根拠を踏まえて伝えることや、給与・評価といった制度面での情報をできる限りオープンにすることなどが採用成功のポイントとなるだろう。さらに、過去に中途採用で入社した方の情報や、配属部署の人数・構成、年齢層や男女比など、職場の雰囲気や人間関係などが伝わる情報は、応募や入社を
決断する後押しとなるので押さえておきたい。また、最近の傾向として、社会情勢を加味して出社を余儀なくされるケースが増えており、リモートワークや在宅勤務を訴求する企業が人気となる傾向もある。
もう一つは、「専門知識を習得したい」「新たな業務に挑戦したい(業務範囲を広げたい)」「管理職・マネジメントを目指したい」といったスキルやキャリア向上に関する意欲を抱くケースだ。そこで求人票などには、業務内容の詳細(業務範囲・専門性・役割<リーダー、マネジメント>など)を分かりやすく具体的に記載できるかも重要なポイントとなる。
また、大手企業出身の転職希望者の中には、「上場企業での連結決算・開示業務」や「IPO 準備(組織体制の整備や各種申請業務など)」といった業務内容に魅力に感じる方もいれば、「社長や経営層に近い立場で事業推進や新規事業立ち上げに参画できる」といった、環境面に魅力を感じる方もいる。選考時に将来のキャリアパスや期待する役割についての情報提供をしっかりすることで、求める人材を獲得しやすくなるだろう。
▼求人マーケット動向
対象:2023年2月~7月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
▼登録者詳細 ※対象:2023年5月~7月にdodaにご登録いただいた方。
人事・総務職
登録者動向
2023年5月~7月の登録者数は、2023年2月~4月対比で109%の増加
・年齢
30 歳以下が 33 %、 31 40 歳が 31 %、 41 歳以上が 36 %となっている。 40 歳以下の若手層・中堅層の登録者が半数以上を占めているが、管理職や専門スキルを保有する 41歳以上のベテラン層の登録も増加傾向である。
・職種
・年齢
30 歳以下が 33 %、 31 40 歳が 31 %、 41 歳以上が 36 %となっている。 40 歳以下の若手層・中堅層の登録者が半数以上を占めているが、管理職や専門スキルを保有する 41歳以上のベテラン層の登録も増加傾向である。
・職種
「人事(採用・教育)」が 39 %、「総務」が 28 %、「人事(労務・人事制度)」が 14 %、「人事(給与社保)」が 12 %と続く。
・出身業界
「メーカー」が21 %、「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」が 10 %を占める。ほかにも「 IT ・通信」、「建築・プラント・不動産」など幅広い業界出身者が登録している。
・志向性
大きくキャリアチェンジを希望するよりは、現在の業務に加えて「+α でチャレンジできる」、「幅を広げたい」と考える方が多い。また、年度の節目の中で、若手層では転職を希望される方が増えており、ベテラン層に至っては経験を活かせる職業への転職を希望するケースが目立つ。
求人動向
2023年5月~7月の求人数は、2023年2月~4月対比で100%と横ばい
2023年 5 月~ 7 月までの求人数は横ばいで推移している。この時期は新しい年度の始まりということもあり、各社の事業方針などによりさまざまなポジションで新規募集が立ち上がる時期となっている。同職種は、即戦力としての活躍を期待するポジションから、ポテンシャル層、リーダー・マネジメント向けポジションなど幅広い採用ターゲットに向けての求人が数多くあることが特徴だ。
特に総務職においては、自社の生産性向上をミッションに掲げる企業もあることから、庶務はもちろん業務改善などの戦略総務的な立ち位置の求人が増えていることもトレンドとして挙げておきたい。
採用成功POINT
「働き方の柔軟性」や「キャリアパスの豊富さ」訴求が採用成功のカギ
「現状の環境を大幅に変えたい」というニーズよりも、「現状の経験 +α で広く経験を積みたい」という志向を持つ登録者が増えている。そのため、転職すればどんなキャリアを描けるのかを訴求することによって、自社の求める人材確保へもつながりやすくなる。また一方で、子育て世代の転職活動も活発化している。そのため「在宅でも業務を行える環境が整っている」など、働き方の柔軟性をアピールすることで転職希望者の目には魅力的に映り、自社を選んでもらえるきっかけとなる。現在、多くの企業で在宅勤務からオフィス勤務へと切り替わっているという背景もあり、オンラインや夜間帯のフレキシブルな面接実施が、求人の差別化と優位性にもつながっていくだろう。
▼求人マーケット動向
対象:2023年2月~7月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
▼登録者詳細 ※対象:2023年5月~7月にdodaにご登録いただいた方。
法務・知的財産・内部監査職
登録者動向
2023年5月~7月の登録者数は、2023年2月~4月対比102%と増加傾向
・年齢
傾向としては変わらず 41 歳以上の登録が 56 %と高い割合を占めている。一定水準の経験や知識が必要となるため、他職種と比較をしても平均年齢が最も高い数値となっている。
・職種
「法務」が53 %と大半を占め、「内部監査」が 28 %、「知的財産・特許」が 19 %と続く。
・出身業界
「メーカー」が32 %、「金融」が 12 %と高い比率を占める。次いで「インターネット・広告・メディア」が 10 %、「 IT ・通信」が 8 %と続く。
・志向性
法学部出身、未経験での法務希望者が増加している。また、「専門性を磨きたい」といった理由で法律事務所から事業会社への転職を希望するケースも増加の傾向にある。一方、経験者については、契約法務だけではなくグローバルな視点で成長していきたい方や、戦略法務などといった、より難易度の高い業務に挑戦をしていきたいと志向する傾向が強いようだ。また、総務部門で法務を経験された方が登録者の中でも一定数を占めており、そうした方は法務の業務をメインとしたいと考えている。
求人動向
2023年5月~7月の求人数は、2023年2月~4月対比107%と増加傾向
法務についてはポテンシャルを含め、リーダー候補などの求人も増加傾向。海外展開やM A など事業成長フェーズの業界・企業において、国際法務を担える人材ニーズが特に高まっているようだ。また、社会全体でコンプライアンスやガバナンスの強化が行われている背景から、内部統制・内部監査ポジションの強化を図る企業も多い。一方中小・スタートアップの企業では、その他管理部門と並行して法務業務を担当する求人も増加中である。
さらに、知的財産や特許分野での採用は、経験者に限らず、理系学部出身の未経験枠まで要件を広げるケースも増えてきている。
採用成功POINT
弁護士資格保持者、インハウスでの経験者にオファーが集中。要件の見直しなどを実施する
社会全体で法務・知的財産・内部監査職のニーズが高まっている中で経験者や資格保持者へのオファーが集中しており、全体的に対象となる方が少ないことから、各社で争奪戦が繰り広げられている。同ポジションの経験者は、現在の業務に物足りなさを感じている方、戦略法務や M A などの領域で活躍したいと考える方などが多いため、入社後の担当業務・領域、どのような経験やスキルが身に着くのかといった情報提供がポイントである。
転職希望者の志向性としては、安定志向が強く、その企業で扱っている商材やサービスの世の中での普及度、認知度などにも興味・関心を持っている。
そのため会社の業績やビジネスモデル、今後の展望や方針などを選考の過程で伝えていくことが大事である。
また、未経験枠の採用を検討するなら、経験の如何にこだわらず法務希望者や理系学部出身者まで要件を広げることをお勧めする。これらの属性を持つ転職希望者の登録も増えてきているため、ターゲットや待遇面を適切に見直すことで採用成功に近づける。
▼求人マーケット動向
対象:2023年2月~7月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
▼登録者詳細 ※対象:2023年5月~7月にdodaにご登録いただいた方。
購買・物流職
登録者動向
2023年5月~7月の登録者数は、2023年2月~4月対比で103%と微増
・年齢
登録者の内訳は、 30 歳以下が 35 %、 31 40 歳が 29 %、 41 歳以上が 36 %と各世代に分散している。倉庫管理・在庫管理や貿易実務など現場オペレーション中心の業務の担当者は、若手層が比較的多く、SCM (サプライチェーン・マネジメント)や物流企画、購買調達など上流工程・コスト管理の担当者は 30 代、 40 代以上が多い傾向にある。
・職種
「倉庫管理・在庫管理」が 38 %、「購買・調達・バイヤー・ MD 」が 26 %、「物流管理」が 19 %、「貿易業務(輸出入業務・通関など)」が 8 %と続く。ニーズが高まっている「 SCM 企画・物流企画・需要予測」は全体の7 %と希少であり、求人数と登録者数にギャップが生じている。
・出身業界
「運輸・物流」が38 %、「メーカー(機械・電気)」が 20 %、「メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)」が 16 %、「商社」が 10 %、「小売」が 8 %と続く。
・志向性
「倉庫管理・在庫管理」に従事している転職希望者は、就業環境の改善や物流の上流工程への挑戦を希望するケースや、営業職、事務職などの他職種へのキャリアチェンジを希望するケースが多い。また、異業界への転職では、物流企業から荷主側であるメーカー・商社への挑戦を希望するケースも多い。経験豊富なミドル層以上は、部分的な管理業務から企画・戦略業務へのステップアップなど、現職では経験できない、あるいは到達するまでに時間が掛かる領域への挑戦を希望しているケースが見受けられる。一方「貿易業務」の実務経験者においては、一層の専門性や職務の幅を求めるなど、スペシャリストとしてのステップアップを希望するケースが多いが、求人数が少なく限られていることから狭き門となっている。
求人動向
2023年5月~7月の求人数は、2023年2月~4月対比で105%と微増
物流業界においては、EC の増加による慢性的な労働力不足に加え、物流業界における 2024 年問題に関連した働き方改革、そしてそれに伴う輸送戦略の見直しなどが急務となっている。
求人ニーズは活況であり、求人数は右肩上がりで増え続けている。前年同時期( 2022 年 5 月~ 7 月)と比べると、 2023 年 5 月~ 7 月の求人数は 131 %超えの伸長となった。
各社DX 推進や IoT 技術を取り入れ、業務改善を行いたいというニーズが増えている。そのため採用ターゲットを広げる動きも各企業で活発化しており、例えば「現場のオペレーション業務や物流管理業務経験があれば業界は問わない」、「調整・改善業務やスタッフマネジメントの経験があれば応募可能」などの求人が見られるようになった。
一方で、購買職においては経験者採用(職種・業界のマッチングを求める)の求人がほとんどである。メーカー・商社など事業会社の物流・購買調達部門の採用においては、担当していた業界や商材、対応していた物量、所属していた物流センターの規模など、親和性を求める求人が多いのも特徴だ。
採用成功POINT
採用要件定義は「業務遂行能力」「ポテンシャル(類似経験)」にフォーカスする
「SCM 企画・物流企画・需要予測」職などを担う登録者は希少。求人ニーズとの乖離が見られるため採用が難航しがちである。採用に成功している企業の特徴としては、「業務遂行能力」に着目し、異業種の経験を積極的に評価し、「商材へのキャッチアップ」を入社後の導入研修で担保している傾向にある。そのため物流コンサルタント、 3PL (サードパーティー・ロジスティクス)で物流企画をしている方などもターゲットに含めることで採用成功を収めている企業もある。また、採用ポジションによっては、商材経験が必須という場合もあることだろう。その際は、同商材の営業経験者、同商材を管理している物流3 PL 経験者などをターゲットに含めると良い。一方、倉庫などで作業効率を重視する業務担当を採用したい場合、他業界で BPR (ビジネスプロセス・リエンジニアリング)経験を積んだ方や業務改善の経験者を対象に含めるなど、できる限り範囲を広げておくことが望ましい。また、面接日時を柔軟に調整することも工夫の一つである。転職希望者のほとんどは、日中~夕方に勤務を抜けられない。あるいは管理業務に携わっている方ほど、現場のイレギュラーに対応している方がいるため、面接時間の確保が困難である。そこで「平日19 時以降」や、「土日・祝日」の面接実施を可能にすることで、面接への参加率や採用スピードは向上する。 Web 面接の活用も大変有効である。輸送会社や荷主側の物流関連職において、「短期集中型選考」を実施すれば、選考をスムーズに進めることができるため採用成功の可能性はより高まっていくはずだ。
▼求人マーケット動向
対象:2023年2月~7月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
▼登録者詳細 ※対象:2023年5月~7月にdodaにご登録いただいた方。
マーケティング・広報職
登録者動向
2023年5月~7月の登録者数は、2023年2月~4月対比で105%と増加傾向
・年齢
依然として若手・ミドル層の登録者が過半数以上を占めている。同登録者層は、さまざまな外部要因などにより転職せざるを得ない事情を抱えた方もいる一方で、景況変化の不安は感じつつも「今よりも良い環境」「安心して業務ができる環境」「スキルアップできる環境」を求める方も多い。
・職種
「Web マーケティング」の登録者層が最も多く、他職種(販売促進・ PR 、その他マーケティング、広報、広告宣伝)の登録者が追随している。「 Web マーケティング」の経験と一言で言ってもその中身は幅広く、施策(広告、コンテンツ、CRM 、分析ツールなど)、裁量(任せる業務範囲・予算)など、同じ職種であってもスキル・経験が千差万別である。
・志向性
会社・部署の先行き不安、事業縮小、組織異動や待遇変更(在宅勤務の撤廃など)などにより転職を決断するケースが多い。一方で「自分の価値観に合った職業や働き方を選
択したい」「市場価値を上げたい」という希望も見られる。ミドル層の登録者は、親との同居や介護などを視野に入れる方も増えており、若手層は場所や一つの会社に捉われない働き
方を重視している傾向だ。自分が挑戦したいことへの希望が叶うかどうか、在宅勤務(フレックス含む)や副業など働き方に関する相談も増えてきている。
求人動向
2023年5月~7月の求人数は、2023年2月~4月対比で99%と減少傾向
近年、直接消費者とやりとりをする D2C Direct to Consumer )の広がりや SNS を活用したデジタルマーケティングの積極活用から、自社サイトにおける Web マーケティング、データ分析経験者などデジタル人材の求人は増加傾向にある。また日本社会は今後、働き方や生活スタイルなど個人の志向性に合わせて、サービスや商品、マーケット・手法などを創造する必要性がさらに増すと見られており、そのため時代や事業の変化に対して柔軟に対応できる”即戦力人材”のニーズがますます高まっていくと考えられている。
ただ、広告代理店などに代表されるマーケティングの支援会社は、ポテンシャル人材の採用がストップしており、全体として求人数は減少傾向となっている。
採用成功POINT
訴求ポイントは「働き方の柔軟性」「選択肢の多さ」「豊富なキャリアパス」をいかに打ち出せるか
求職者側のニーズとして、リモートワークや時差出勤・フレックスタイム制度など、柔軟な働き方や多様な価値観をいかに受け入れてくれるかどうかが会社選びのポイントとなり、それが他社との差別化となるため、採用活動において注力しない手はない。また、豊富なキャリアパスやスキルアップに対する支援制度なども企業選びの重要項目と言える。経験者採用、ポテンシャル採用については以下がポイントとなるだろう。
【 経験者採用 】
経験者は依然引く手あまたで、応募に関しても企業のブランド力や認知度、処遇、ポストをドライに見比べる傾向が強い。さらに獲得競争が厳しくなっている中、給与などの待遇面をシビアに見ている転職希望者も増えている。会社が採用候補者に対して期待すること、どれくらい裁量を持てるかどうかの情報開示や実際の仕事内容、中長期のキャリアパスなど、求職者の目を引くような魅力をどう打ち出せるかが重要だ。企業のスタンス、方針(何を社会に還元したいかなど)への共感も大切な要素であり、一次面接の段階から具体的な情報提供を行い、入社の動機付けをすることが何より大事である。
【ポテンシャル採用 】
重要なポイントは、必要最低限な素養(数値に強い、折衝能力があるなど)を定義することや、モデルケース(中途入社者の活躍)を求人票もしくは面接の中で訴求して、求職者に入社後のイメージを持ってもらえるかどうかである。また面接実施の際は、入社後のフォローアップ体制や人材育成にも力を入れている背景を伝えて、他社との差別化を図る。加えて、同領域の登録者はスキルや経験が求人票記載の内容と照らし合わせて十分かどうか不安を感じているため、面接内外で候補者に対する期待値や評価点をフィードバックし、意向醸成を図ることも有効である。
▼求人マーケット動向
対象:2023年2月~7月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
▼登録者詳細 ※対象:2023年5月~7月にdodaにご登録いただいた方。
企画職(経営企画・事業企画・営業企画・商品サービス企画)
登録者動向
2023年5月~7月の登録者数は、2023年2月~4月対比で104%と微増
・年齢
総合職として他部署を経験した後に企画職へ配属されるといったキャリアモデルが多いため、年齢層はやや高めとなり、36 歳以上の登録者が全体の 47 %を占める。
・職種
職種別登録者を見ると、「商品企画・サービス企画」が36 %、次いで「事業企画・新規事業開発」が 28% 、「経営企画」が 18% 、「営業企画」が 18 %となる。ただし「 DX 推進」「 MA」「 SDG s」「サステナビリティ推進」などの業務経験者は希少である。
・志向性
若手層の転職理由は、「自身のスキル・経験、将来性への不安」のほか、「現状よりも裁量があり、挑戦できる組織」などを求める声が多い。 30 代中盤以降は「これまでの経験を活かし、新たな挑戦ができる組織」を希望して転職活動をするケースが多くを占める。また、現職の業務にやりがいを感じているものの、業績不振や業界への不安からエージェントを利用する転職希望者も増えている。経営層に近い立場でいるため、会社が時世に適した事業やサービスを展開しているか、会社の風土として顧客をはじめとするステークホルダーの声を大切にしているかなどを気にされる方が多い印象である。そしてどの年齢層も複数の企業を併願して求職活動を進めている場合が大半である。そこで年収などの条件はもちろん、求職者のキャリア観、志向性と企業のビジョン・カルチャーがマッチしているかという点も企業選びの決め手となっている。
求人動向
2023年5月~7月の求人数は、2023年2月~4月対比102%と微増
採用の熱度は、 EC や SaaS を中心としたインターネットサービス、製造業などの分野で高い状況にある。特に SaaS 型ビジネスが活況となっているため「カスタマーサクセス」や「 BtoB マーケティング」などの要素を求める求人は増加傾向にある。一方で、新規事業推進に向けて、プロジェクト推進業務経験者や事業部の適切な予算管理と経営分析ができる方を採用したいという要望も増加しつつある。職種別で見ると、新規事業開発や企業の成長戦略をリードできる「商品企画・サービス企画」「事業企画・新規事業開発」職のニーズが活況。「営業企画」職では、解析ツールを活用するデータ分析スキルを求める求人や、 BPR (ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)などの業務プロセスを改善するポジションのニーズは高く、「経営企画」職では、 M A 経験者、中期経営計画策定経験者の求人の割合が多い。
採用成功POINT
組織課題や任せたいミッションを明確化。評価ポイントは適切にフィードバック
転職希望者は、「キャリアアップ」「事業・サービスに共感できるか」を重視するため、母集団形成の段階から具体的な業務内容(何を任せたいのか)や事業・サービスの理解度を高めることが重要となる。加えて入社後のキャリアとしてどのようなステップアップ(経営企画としての業務の後に会計周りや人事への異動可能性もあり、バックオフィスとして幅を広げられる/総合職として全国転勤可能性もある など)ができるのかも具体的に伝えられると、意向が上がりミスマッチが防げる。また 40 代以上の転職希望者も増加しており、これらの層は入社後に携わるプロジェクトや将来のキャリアプランが曖昧な求人への応募を避ける傾向が強くなっている。一方で、コミュニケーション能力や専門領域の知見を持った若手層へのアプローチで採用成功する企業もいる。
オンライン選考はもはや一般化しており、スピーディーな選考フローの構築と、複数社を併願する転職希望者に向けて入社意向の醸成や動機付けの実施が何よりも重要となっている。採用候補者によっては、最終面接合格を複数得る方も珍しくはないだろう。そのため選考終了後は、一人一人に詳細なフィードバックを伝えることを忘れずに行いたい。
採用候補者の入社意向を高める手法としては、評価制度や評価向上のポイント、社内の様子(同年代の社員の雰囲気、上長が誰なのかなど)といった情報を面談やそれ以外の場で開示(伝える)することで採用成功に近づけるだろう。
▼求人マーケット動向
対象:2023年2月~7月にdodaにいただいた求人件数と登録者数。※2月の数値を「1」とした場合の変化を表しています。
▼登録者詳細 ※対象:2023年5月~7月にdodaにご登録いただいた方。