20代転職者の約半数が「秋入社」希望！秋から冬にかけての採用成功のカギ

2025年9月30日

転職市場が活発化する中、20代の転職希望者の動向に注目すべき変化が見られます。
株式会社学情の調査によると、20代転職希望者の約半数が「9月〜10月」の秋入社を希望しており、従来の春入社中心の採用戦略に変革が求められています。

この調査結果は、企業の採用戦略に大きな影響を与えるものです。
「若手人材の確保」に課題を抱える多くの企業にとって、秋採用の重要性と入社研修の充実化が成功のカギとなることが明らかになりました。

20代転職者の秋入社志向が示す新たなトレンド

調査結果で最も注目すべきは、転職先への入社希望時期として「2023年9月」が30.3％、「2023年10月」が20.9％で、合計51.2％と、9月・10月の秋入社を希望する20代が半数を占めたことです。
3月までの冬採用も含めると、約7割が秋冬の入社を希望しているということになり、春採用のみでは良い人材と出会うチャンスを逃してしまう可能性が高くなると言えます。

秋入社を希望する理由として、以下のような声が挙がっています。

「同期がいると安心して入社できる」
「下期が始まる区切りのよいタイミングで入社できる」
「新入社員が入社するまでの半年間で、仕事を覚えていきたい」

これらの意見から、20代転職者が組織への円滑な適応と成長機会の確保を重視していることが読み取れます。
一方で、「2024年4月」の春入社を希望する層も12.1％存在し、春・秋の2回の採用機会を設けることの重要性が浮き彫りになっています。

「すぐに転職したい」6割超の背景にある転職意識の変化

調査では、転職希望時期について「すぐに転職・就職したい」が35％、「どちらかといえばすぐに転職・就職したい」が25.3％で、合計60.3％と6割を超える結果となりました。

さらに注目すべきは、転職意向について「必ず転職したい」と回答した20代が60.3％に達していることです。これは、現代の20代が主体的なキャリア形成に対して明確な意志を持っていることを示しています。

この強い転職意識の背景には、以下の要因が考えられます。

キャリア自律の意識向上：働き方の多様化により、自分らしいキャリアを追求する意識が高まっている
スキルアップへの積極性：変化の激しい時代において、継続的な成長を重視している
労働市場の流動性：転職に対するネガティブなイメージが薄れ、前向きな選択肢として認識されている

入社研修の充実度が志望度を左右する時代に

調査で特に注目すべきは、「入社研修の有無や充実度」を意識している20代が89.3％に上ることです。さらに、「入社研修が充実していると志望度が上がる」とした人は86.5％にも達しています。

20代が入社時の研修で学びたいことは以下の通りです。

業務で必要になるスキル（84.1％）
仕事の進め方（82.5％）
コミュニケーションツールなど社内システムの利用方法（65.9％）
会社の規程・ルール（51.3％）

自由回答では以下のような声が寄せられています。

「研修を通じて、スキルを習得したい」
「基本的なことを押さえて仕事をしたい」
「自己学習と研修の両軸で、スキルや知識を習得していきたい」

これらの結果から、20代は実践的なスキル習得と体系的な学習機会を求めていることが明確です。

効果的な秋採用戦略の構築方法

調査結果を踏まえ、企業が効果的な秋採用戦略を構築するためのポイントをご紹介します。

1. 採用スケジュールの見直し

従来の春採用中心から、春・秋の2回採用体制への移行を検討しましょう。
特に9月・10月の秋入社に向けた採用活動を6月頃から開始することで、転職意欲の高い20代にアプローチできます。

また、秋採用の体制を整えておくことによって、12月以降の冬入社を希望する層にもアプローチすることができます。秋頃に面接を行い、冬に入社したいという転職者も増えているため、柔軟に対応し間口を広げていくことが大切です。