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若手社員の成長意欲低下、企業はどう対応すべき?

近年の転職市場において、企業の人事担当者から「若手社員の成長意欲が感じられない」「自己啓発に興味を示さない」といった声が聞かれるようになりました。
パーソル総合研究所の調査によると、2023年以降、20~30代正社員の成長志向が明確に低下していることが明らかになっています。

この現象は単なる若者の意識変化ではなく、働き方改革AI技術の普及など、社会環境の大きな変化が背景にあると考えられます。企業にとって、この変化をどう捉え、どのような採用・育成戦略を立てるべきかが重要な課題となっています。

目次

若手社員の成長意識はなぜ変化したのか

パーソル総合研究所の「働く10,000人の就業・成長定点調査」によると、「働くことを通じた成長」を重視する20~30代正社員が2023年以降に約1割減少しています。この傾向は統計的にも有意で、40代以上では見られない若手特有の変化です。

引用元:パーソル総合研究所
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/thinktank-column/202506300001/

同時に、業務外での学習・自己啓発を「とくに何も行っていない」と回答する若手社員も約10ポイント増加しており、成長志向の低下が行動面でも顕著に現れています。

引用元:パーソル総合研究所
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/thinktank-column/202506300001/

この背景には、主に2つの要因が考えられます。

職場環境のホワイト化の影響

2019年の働き方改革関連法や2020年のパワハラ防止法施行により、企業の多くは働きやすい職場づくりを進めてきました。その結果、若手社員にとっての職場環境は「優しいもの」になった一方で、成長に必要な「負荷のある経験」や「他者との深い関わり」を得づらい環境になっている可能性があります。

生成AIの急速な普及

2023年以降のChatGPTなどの生成AI普及により、「今のスキルを磨くことが将来につながるのか」「組織内での評価や昇進に意味があるのか」といった根本的な疑問が若手社員の間に広がっています。

成長イメージの「脱・組織化」が進む背景

調査データからは、若手社員の成長イメージに顕著な変化が見られます。
「報酬の上昇」「専門性の向上」「成績・評価を得ること」といった従来型の成長イメージを持つ若手社員が減少している一方で、「ワーク・ライフ・バランスの充実」や「キャリアの明確化」は横ばいに推移しています。

これは「成長の脱・組織化」「脱・スキル化」とも呼べる変化で、組織内評価やスキルアップを通じた成長というイメージが若手社員にとって現実味を失いつつあることを示しています。

企業の採用担当者にとって、この変化は重要な示唆を含んでいます。従来の「昇進・昇格」「スキルアップ」といった成長ストーリーだけでは、若手候補者の心に響かなくなっている可能性があるのです。

企業が取るべき採用・育成戦略

このような若手社員の意識変化に対して、企業はどのような採用・育成戦略を取るべきでしょうか。

採用段階での対応

求人広告や面接において、従来の「やりがい」「成長機会」といった訴求だけでは不十分になっています。代わりに以下のようなアプローチが有効です

  • 具体的な業務内容と社会的意義の明確化
  • ワーク・ライフ・バランスの実現可能性
  • 個人の価値観に合わせたキャリアパスの提示
  • AI時代でも価値を発揮できるスキルの明示

育成段階での工夫

職場の「ホワイト化」が進む中でも適切な負荷と挑戦機会を提供する仕組みづくりが重要です

  • 段階的な責任付与とフィードバック体制の構築
  • メンター制度による個別対応の強化
  • 成長の「見える化」と多様な評価軸の設定
  • 自律的な学習を促す環境整備

AI時代に求められる新しい成長の定義

生成AIの普及により、多くの業務が自動化される可能性が現実味を帯びています。しかし、AIに代替されにくいスキル——共感力、創造力、意思決定力、ITリテラシーなどは、これからの仕事においてますます重要になります。

企業は若手社員に対して、単に成長意欲を高める施策を講じるだけでなく、AI時代において本当に必要とされるスキルや知識を明確に提示し、それに向かって成長していく道筋を示す役割が求められます。

新時代の成長指標例

  • AIツールを活用した業務効率化能力
  • 複雑な問題に対する創造的思考力
  • 多様なステークホルダーとの協働力
  • 変化に対する適応力と学習継続力
  • データを読み解く分析力

まとめ|変化する若手社員との向き合い方

若手社員の成長志向低下は、企業にとって大きな課題であると同時に、人材戦略を見直す重要な機会でもあります。従来の成長モデルが通用しなくなった今、企業は新しい時代に適応した採用・育成アプローチを構築する必要があります。

特に人材採用においては、求職者の価値観の多様化を理解し、それぞれのニーズに対応できる柔軟な採用戦略が求められます。画一的な成長ストーリーではなく、個人の志向性に合わせたキャリアパスの提示が重要になってくるでしょう。

また、AI時代における「成長とは何か」を再定義し、新しい価値を創造できる人材の育成に注力することが、企業の競争力維持につながります。

株式会社日産広告社では、こうした時代の変化を踏まえた効果的な求人広告の制作・運用サポートを行っています。若手人材の価値観に響く求人原稿の作成から、最適な媒体選定、応募効果の分析まで、総合的にお手伝いいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

私たち日産広告社は、創業47年の求人広告代理店です。長年様々な企業様の採用活動をお手伝いしてきた豊富なノウハウをもとに、企業の人材採用に関するお役立ち情報をお届けしています。
企業規模、業種、職種 問わず膨大な採用成功の実績があります。是非一度ご相談ください!

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